スワップ投資の方法

FXに限らず、投資をしていく上で、手間がかからないに越したことはありません。もともと、短期でのトレードはしていないので、常に相場を見る必要はなかったのですが、もっと楽な方法はないものかと考えていました。

2015年中旬から、事前に立てた計画に従ってポジションを操作していく方法をとっています。それ以前は、「うねり取り・リズム取り」の手法にしたがって、毎日の終値をみて投資判断をするという方法をとっていましたが、今では、終値の確認はしているものの、「手書きグラフ」と「場帖の記入」をやめました。

最終的には、いわゆるスワップ派の投資になりますが、自由度の高い外貨預金のような形に落ち着いています。

日々の作業と投資判断が楽
普段やっていることは、毎朝の終値確認だけです。(時々、忘れます。)トレンドを感じるのは大切だと思いますが、1m四方のグラフ用紙は場所を取るし、終値をオンラインで確認するのに、わざわざ場帖に記入するのも、わずらわしいものです。また、グラフも場帖も、空白が多くて紙が勿体無い気がしていました。

この方法のメリットは、事前に投資計画があるので、取引の迷いが少なくなる事だと感じています。投資方法を変えた理由に、グラフ用紙の管理や場帖の記入が、めんどくさくなったというのもありますが、終値を見て毎朝投資判断するのが負担だったという事もあります。計画がある事で、何が許容範囲で、何が許容範囲ではないかが、はっきりするので、ポジションを建てる時も、建てた後も、悩むことが少なくなりました。

基準値を決めて分割売買をする
具体的に実践している方法は、分割売買が前提になります。例えば、1,000万円ほど資金として用意するのであれば、100万円単位で10回分の購入資金として計画しますが、その前に、取引の基準になる値を決める必要があります。

基準値は、投資対効果にあたるかと思いますが、資金あたりのスワップ収入と暴落時のリスク計算で決めます。値は個々人の判断になりますが、事前の計画なので、じっくり考えることができます。私の場合、数日かかりました。

例えば、月10万円の収入を目標にした場合の基準値を計算します。まず、今後期待できそうなスワップの値で必要なポジションを計算します。
AUD/JPYのスワップをAU$10,000あたり50円と期待すると月10万円を得るには100,000円 / (50円 x 30日) = 66.7(AU$667,000) のポジションが必要です。
要するに、このポジションを買ってスワップが期待通りであれば、目標は達成できるのですが、ご存知の通り、ポジションを長期で保有するには、保有期間中の値動きに耐えられなければいけません。次に、目標とする買値と許容できるレバレッジを決めて、リスクと必要資金を計算します。
買値80円、レバレッジ3倍でポジションを建てるとすると、80円 x AU$667k / 3 = 17,787,000円(約1800万円)の資金が必要です。
資金が用意できない場合は、各数字を調整することになりますが、月あたりの収入を一旦下げておくのが一番現実的です。
用意できる資金が1000万円だとすると、ポジションは66.7 x (1000万 / 1800万) = 37.0(AU$370,000)ほど建てることができて、月の目標収入は10万円 x (1000万 / 1800万) = 55,500円ほどになります。
自分の資金に見合った収入を知る事も大切です。実際の利益率はポジションの建て方やスワップの変動で変わってきます。目標とする買値を下げたり、スワップの期待値を上げるという手もありますが、現実的な値にしておかないと、いつまでたっても実現できない値になってしまいます。レバレッジを上げる場合は、損切りの値を十分に確認しておく必要があります。

基準値が決まると、計画は完了です。あとは、分割売買をしていくだけです。計算結果の「1000万円使って月55,000円の収入」という利益率に満足できるのであれば、80円の時に一括でポジションを建ててもいいとは思いますが、分割売買をするのは、リスクを下げて、利益率をあげるためです。

例えば、1000万円の資金を10回分に分ける場合のシュミレーションをします。レバレッジを固定して、買値によってポジションの数を決めますが、基準は、買値80円での1回分のポジション 37.0 / 10 = 3.7(AU$37,000) です。
84.5円の時にポジションを建てるとすると、1回分の資金100万円に対するレバレッジ3倍での計算値は 100万円 x 3倍 / 84.5円 = 3.55(AU$35,500) になります。 
使っているFX口座の取引単位によりますが、1,000単位での取引が可能な口座であれば、35,000ほどのポジションを建てるとレバレッジが3倍より少し小さくなります。この時点で、買値の平均は84.5円なので、目標の80円よりは高い値です。また、ポジションの数も基準である3.7に少し足りませんが、しばらくして、75円に下げたとします。
75円の時にポジションを建てるとすると、同じ計算で、100万円 x 3倍 / 75.0円 = 4.0(AU$40,000) です。
この2回の取引で、ポジションは 3.5 + 4.0 = 7.5 になり、買値の平均は (3.5 x 84.5円 + 4.0 x 75円) / 7.5 = 79.4円です。買値の平均は基準値の80円を下回り、ポジションも3.7 x 2回 = 7.4より多いので、2回分の投資としては予定以上の収入も期待できます。

ポジション管理
最初は、保有ポジションがない状態なので、値動きをみて売買の判断をしますが、結果的には、いつポジションを建ててもいいと思っています。リスクはすでに計算されている許容範囲なので、最初のうちは、あまり悩まずポジションを建てた方がスワップの受け取りも早く始まります。

一旦ポジションを建てると、売買の判断は、日々の値動きよりも、保有しているポジションによるところが大きくなってきます。資金の範囲内で、ポジションを増やす、買値の平均を下げる、という売買を繰り返していくうちに、資金も増えていくというシナリオが理想です。

例えば、10回のうち6回から8回分くらいまであまり考えずに買い続けた後、買値の高いポジションを高値で処理して、低値で買い直し始めるという方法でも運用できます。100万円の利益が出たら資金に組み込むことで、11回分の売買が可能になります。

以前は、数日から数週単位での取引もしていましたが、この方法を始めてから1年ほど触っていないポジションも出てきました。リスクが計算済みなので、細かな値動きと含み損が気にならなくなりました。現在は、終値の確認とポジション管理しかしていませんが、以前よりも穏やかな気持ちで安定した収入を確保しています。

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